ん
- 例:「〜なのです」⇒「〜なんです」、「ぼくの家(うち)」⇒「ぼくんち」、「せむとす」⇒「せんとす」、「〜なるめり」⇒「〜なんめり」
- 方言の例:「あるの?」⇒「あんの?」または「あるん?」、「あるので」⇒「あるんで」
表記
- 平仮名「ん」の字形: 「无」の草体
- 片仮名「ン」の字形: 漢文の訓点のうち撥音を示す記号「
」(梵字の菩提点に由来)の転じたもの、尓の上部、二の転じたもの、无の二を取った形、冫昷(温-丶)の偏(にすい・冫)からなどの説がある。 - ローマ字: n - 母音字や y が後続する場合は「n'」のようにアポストロフィーで区切ることもある。ヘボン式では、m, b, p(唇音)で始まる音節が後続する場合、「m」を用いる。ローマ字入力の場合は、後ろに「な行」がくる場合には「nn」とする。
- ハングルで日本語表記する場合はㄴをパッチムとして表記する。
- 点字:
- 通話表: 「おしまいのン」
- モールス信号: ・—・—・
- 発音:
ん
音韻
現代標準語の音韻: 日本語を母語とする日本語話者にとっては「ん」は1つの音、すなわち音素 /N/と認識される。しかし、実際の発音は次項で述べるように前後の音や速度、話者により、[n](IPA)、[m](IPA)、[ŋ](IPA) = [N] (X-SAMPA)(gの舌の形での鼻音、またはガ行鼻濁音の子音)、[ɲ](IPA) = [J] (X-SAMPA)(ニャ行の子音)、[N](IPA) = [N\] (X-SAMPA)(語末の「ん」)、その他鼻母音などが用いられる。ただし、どの発音を用いても意味上の違いは生じない。
音声学的記述
音声学上の実際の発音: 前項で述べたように「ん」は様々に発音される。
- 後続音が破裂音、破擦音および鼻音のように口腔内を通過する空気を完全に閉鎖する子音の場合 - それと同一の調音位置の鼻音。(m)
- 後続音が側音として発音されるラ行音・リャ行音の場合はそれと同一調音位置の鼻音化された側音。
- 後続音が摩擦音、弾き音として発音されるラ行音・リャ行音、半母音または母音の場合 - それと同一調音位置の鼻母音に発音される。(n)
いずれも逆行同化により、「ん」の調音位置と調音様式は後続音の影響を受ける。
- 後続音のない「ん」は鼻音または鼻母音に発音され、口蓋垂鼻音(N)またはその調音位置の鼻母音である。
- 先行音も後続音もない単独の「ん」は口蓋垂鼻音(N)またはその調音位置の鼻母音である。

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